滋賀県歴史遺産の魅力ーーーA.野洲市・竜王町編
滋賀県教育委員会主催「近江水と大地の遺産魅力発信事業」の一環として、今秋実施される「平家ゆかりの地探訪会」の先行企画に参加した。
長年滋賀県に住みながら、地元の良さや歴史遺産を知らぬまま来たわが身を省みて、「ブログ作成」の宿題つきに躊躇しながらも挑戦してみた。 ワクワク新発見をレポートしてみたいと思う。
第1回は、野洲市・竜王町編、題して「平家物語・祇王祇女と源義経のゆかりの地を訪ねて」。
6月30日(土) 10:00 JR野洲駅からのスタート。 当日のコースと主な見所は次の通り。
① 苗村神社: 楼門・東本殿・不動明王立像(重文)、西本殿(国宝)
② 道の駅かがみの里: 鏡神社・宝きょう印塔・石灯籠(重文)、義経元服池・盥・宿泊館跡、平家終焉の地
③ 祇王寺: 祇王寺、祇王屋敷跡、北村季吟句碑、永原御殿門、(祇王井川ーー今回はパス)
④ 仏性寺: 丈六阿弥陀如来座像(重文)
⑤ 兵主大社: 朱色の翼廊をもつ楼門、同じく翼廊をもつ拝殿が優雅の奈良時代創建の古社
ポイントごとの見所を紹介しよう。(アクセスは公共交通利用で記載)
① 苗村神社: アクセス(JR近江八幡駅より近江バス「竜王ダイハツ行」にて「川守」下車徒歩10分)
・楼門(重文)は、室町時代の造営といわれ、入母屋造茅葺の和様を基本とした禅宗様混在の巨大建物。
・西本殿(重文)は、鎌倉後期の建立と推定、三間社流造桧皮葺。
東本殿と共に広大な境内地には古墳群もあり、近郊33郷の総社として荘厳な風格をもっている。
・不動明王立像(重文): 鎌倉初期の作と推定。神仏習合時代の護摩堂本尊といわれる。
憤怒の容貌の厳しさに比べ衣裳や体躯の柔らかさが見るものを少しホッとさせる。
少し捻った腰、剣を持ち後に引いた右手、正面に伸ばした左手は、今にも動き出しそうで躍動感満点。
・西本殿(国宝): 室町前半期の建立と推定。一間社流造桧皮葺。
② 道の駅かがみの里: (アクセス)JR近江八幡駅よりバス「村田製作所行」にて「鏡」下車徒歩5分
・「鏡」は、平安末期から鎌倉、室町にかけて宿場として栄えた町で、現在の「国道8号線」を挟む形で展開した交通の要衝であった。 鏡神社には「天日槍」が祀られ、周辺には須恵器を焼成した登り窯の跡地が点在する渡来文化伝承の地でもある。
・周辺の史跡は、概ね「道の駅かがみの里」を中心に半径300m程度の範囲内に集中しているので極めてカバーしやすい。 また、道の駅では、レストランも完備、更に地元の折々の特産品産や野菜・近江米・焼き立てパンなどの販売や情報発信の拠点となっており、頼りになるポイントだ。
・鏡神社(重文): 南北朝時代の建立で三間社流造こけら葺。陶製技術を伝えた新羅の王「天日槍」を祭神とする。源義経も源氏の再興と武運長久を祈願したという。
・鞍馬寺から東北へ下向する途中の牛若丸がこの地で泊まり、追手を欺くため一人で元服して義経となった地でもあることから、義経元服がらみの史跡が多数言い伝えられている。
宝きょう印塔(鎌倉後期)・石灯籠(室町初期)はいづれも最澄建立の「西光寺」の遺品。平家終焉の地
だけが少し離れている。
③ 妓王寺: (アクセス)JR野洲駅からバス「木部循環線」にて「江部」下車、徒歩7分
・妓王寺は、平清盛に頼んで故郷に農業用水「祇王井」を開いた白拍子・祇王の徳を感謝し、村人達が建立した寺。 祇王、祇女、刀自、仏御前が祀られている。 近くに、祇王屋敷跡や祇王井開削ゆかりの史跡が点在する。境内では、清盛と祇王に扮した案内スタッフが学芸会風に説明してくれるのもほほえましい。
今回は見学できなかったが、祇王井川は改めてでも是非訪問してみたい。今尚とうとうと水を流し、落差・高低を様々に工夫して配水され、各地域が協力して水路を大事に守っているさまを実感してみたい。
④ 仏性寺: (アクセス)JR野洲駅よりバス「西河原二丁目行」「あやめ浜行」「鮎やの郷行」にて「乙窪口」下車、徒歩5分
阿弥陀如来座像(重文)は、桧の寄木造、平安後期、行基の作といわれる。丈六・漆箔で県下最大の座像は今尚金色に輝き、静かで美しかった。
⑤ 兵主大社: (アクセス)JR野洲駅よりバス「西河原二丁目行」「あやめ浜行」「鮎やの郷行」にて「兵主大社前」下車、徒歩5分
・長々と続く松並木を過ぎると左手にポカッとした空間が広がり、いきなり朱色の大鳥居と左右に翼廊をもつ優雅な楼門が目に入る。楼門をくぐると更にゆったりと広い砂利の参道が続く。正面の拝殿も翼廊をもったゆったりとしたおおらかな佇まい。映画や時代劇のロケ地としての出番が多いのも頷ける。拝殿の左奥に広がる広大な庭園は、池泉回遊式と言われるが今回はパス。塀越しに覗いてみたが、なかなか立派な庭園だ。 国指定の名勝になっているようだが、ここも是非次回の課題にしておきたい。
「兵主」という名から「もののふのぬし」と読めることから、昔から武将、軍人の崇敬が篤かったようだ。
拝殿前の狛犬が、包帯でぐるぐる巻きにされているのをお宮さんの方に聞くと、体の悪いところと同じ場所に包帯を巻いてお祈りをすると治癒すると言い伝えられているという。「ふーん?」と納得しながらも、狛犬の尻尾にホータイを巻いた人はどこが悪いのかな?と思ってしまった。
長年滋賀県に住みながら、地元の良さや歴史遺産を知らぬまま来たわが身を省みて、「ブログ作成」の宿題つきに躊躇しながらも挑戦してみた。 ワクワク新発見をレポートしてみたいと思う。
第1回は、野洲市・竜王町編、題して「平家物語・祇王祇女と源義経のゆかりの地を訪ねて」。
6月30日(土) 10:00 JR野洲駅からのスタート。 当日のコースと主な見所は次の通り。
① 苗村神社: 楼門・東本殿・不動明王立像(重文)、西本殿(国宝)
② 道の駅かがみの里: 鏡神社・宝きょう印塔・石灯籠(重文)、義経元服池・盥・宿泊館跡、平家終焉の地
③ 祇王寺: 祇王寺、祇王屋敷跡、北村季吟句碑、永原御殿門、(祇王井川ーー今回はパス)
④ 仏性寺: 丈六阿弥陀如来座像(重文)
⑤ 兵主大社: 朱色の翼廊をもつ楼門、同じく翼廊をもつ拝殿が優雅の奈良時代創建の古社
ポイントごとの見所を紹介しよう。(アクセスは公共交通利用で記載)
① 苗村神社: アクセス(JR近江八幡駅より近江バス「竜王ダイハツ行」にて「川守」下車徒歩10分)
・楼門(重文)は、室町時代の造営といわれ、入母屋造茅葺の和様を基本とした禅宗様混在の巨大建物。
・西本殿(重文)は、鎌倉後期の建立と推定、三間社流造桧皮葺。
東本殿と共に広大な境内地には古墳群もあり、近郊33郷の総社として荘厳な風格をもっている。
・不動明王立像(重文): 鎌倉初期の作と推定。神仏習合時代の護摩堂本尊といわれる。
憤怒の容貌の厳しさに比べ衣裳や体躯の柔らかさが見るものを少しホッとさせる。
少し捻った腰、剣を持ち後に引いた右手、正面に伸ばした左手は、今にも動き出しそうで躍動感満点。
・西本殿(国宝): 室町前半期の建立と推定。一間社流造桧皮葺。
② 道の駅かがみの里: (アクセス)JR近江八幡駅よりバス「村田製作所行」にて「鏡」下車徒歩5分
・「鏡」は、平安末期から鎌倉、室町にかけて宿場として栄えた町で、現在の「国道8号線」を挟む形で展開した交通の要衝であった。 鏡神社には「天日槍」が祀られ、周辺には須恵器を焼成した登り窯の跡地が点在する渡来文化伝承の地でもある。
・周辺の史跡は、概ね「道の駅かがみの里」を中心に半径300m程度の範囲内に集中しているので極めてカバーしやすい。 また、道の駅では、レストランも完備、更に地元の折々の特産品産や野菜・近江米・焼き立てパンなどの販売や情報発信の拠点となっており、頼りになるポイントだ。
・鏡神社(重文): 南北朝時代の建立で三間社流造こけら葺。陶製技術を伝えた新羅の王「天日槍」を祭神とする。源義経も源氏の再興と武運長久を祈願したという。
・鞍馬寺から東北へ下向する途中の牛若丸がこの地で泊まり、追手を欺くため一人で元服して義経となった地でもあることから、義経元服がらみの史跡が多数言い伝えられている。
宝きょう印塔(鎌倉後期)・石灯籠(室町初期)はいづれも最澄建立の「西光寺」の遺品。平家終焉の地
だけが少し離れている。
③ 妓王寺: (アクセス)JR野洲駅からバス「木部循環線」にて「江部」下車、徒歩7分
・妓王寺は、平清盛に頼んで故郷に農業用水「祇王井」を開いた白拍子・祇王の徳を感謝し、村人達が建立した寺。 祇王、祇女、刀自、仏御前が祀られている。 近くに、祇王屋敷跡や祇王井開削ゆかりの史跡が点在する。境内では、清盛と祇王に扮した案内スタッフが学芸会風に説明してくれるのもほほえましい。
今回は見学できなかったが、祇王井川は改めてでも是非訪問してみたい。今尚とうとうと水を流し、落差・高低を様々に工夫して配水され、各地域が協力して水路を大事に守っているさまを実感してみたい。
④ 仏性寺: (アクセス)JR野洲駅よりバス「西河原二丁目行」「あやめ浜行」「鮎やの郷行」にて「乙窪口」下車、徒歩5分
阿弥陀如来座像(重文)は、桧の寄木造、平安後期、行基の作といわれる。丈六・漆箔で県下最大の座像は今尚金色に輝き、静かで美しかった。
⑤ 兵主大社: (アクセス)JR野洲駅よりバス「西河原二丁目行」「あやめ浜行」「鮎やの郷行」にて「兵主大社前」下車、徒歩5分
・長々と続く松並木を過ぎると左手にポカッとした空間が広がり、いきなり朱色の大鳥居と左右に翼廊をもつ優雅な楼門が目に入る。楼門をくぐると更にゆったりと広い砂利の参道が続く。正面の拝殿も翼廊をもったゆったりとしたおおらかな佇まい。映画や時代劇のロケ地としての出番が多いのも頷ける。拝殿の左奥に広がる広大な庭園は、池泉回遊式と言われるが今回はパス。塀越しに覗いてみたが、なかなか立派な庭園だ。 国指定の名勝になっているようだが、ここも是非次回の課題にしておきたい。
「兵主」という名から「もののふのぬし」と読めることから、昔から武将、軍人の崇敬が篤かったようだ。
拝殿前の狛犬が、包帯でぐるぐる巻きにされているのをお宮さんの方に聞くと、体の悪いところと同じ場所に包帯を巻いてお祈りをすると治癒すると言い伝えられているという。「ふーん?」と納得しながらも、狛犬の尻尾にホータイを巻いた人はどこが悪いのかな?と思ってしまった。
by ganchagg
| 2012-08-16 07:40
日々つれづれに思いつくよしなしごとを気のむくままにのんべんだらりと書いてみよう
by ganchagg
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